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第19回関東地区中高研究集会
今キリスト教学校の果たすべき使命とは
横山  茂

 第十九回関東地区中高研究集会は「今キリスト教学校の果たすべき使命とは」をテーマに、十八校三十一名の参加者を得て、十一月二十九日・三十日の二日間、湯河原厚生年金会館で行われました。例年この研究集会は、教頭および教務主任の方々の出席によって、各学校の現状と課題について情報交換を兼ねて協議を行ってきました。その一方で、以前より勤務十年前後で将来キリスト教学校を担っていかれる方々の研修が必要であるとの意見が多くありました。そこで今回は、意見交換と共通認識をもつ事を目的として勤務十年前後の方々に参加して頂き開催されました。

 一日目の協議1では、勤務校の現状と「魅力あるキリスト教学校」にするために必要な事について、一人四分の時間枠で全員の方に発表して頂きました。各校それぞれ個別の事情を抱えてはいますが、共通の項目として「教師間の連携のはかり方」や「生徒のモラルの低下」「保護者との関係」「礼拝のあり方」「キリスト教学校の役割」等、多岐にわたり様々な問題が提示されました。予定時間を三十分延長した各先生方の発表を、熱心にメモを取っておられる方も多く、これらの問題への関心の高さがうかがわれました。

 協議1の結果を受けて、夕食後の協議2は予定を変更し、全体ではなく分団でそれぞれの問題を掘り下げる事にして、四つに分かれて協議しました。ここでは「礼拝の持ち方」「モラルの低下」「生徒・保護者の満足度」「保護者との関係」「音楽教育の重要性」「不登校の生徒への対応」「聖書科の役割」等具体的なテーマが出される一方で、「学校の理想と経営難」や「生き残り」「共学の問題」など学校運営にあたってのテーマも出されました。各分団ではそれぞれのテーマに沿って、活発な意見交換が行われました。その中には、十年経つといろいろやりたい事が出てくるので安心して出来る様に、失敗しても全て責任を持ってくれる校長を期待する声もありました。こちらも熱の入った討論が続いたため時間を延長したのですが、終了後もまだ各部屋で意見交換が続いていました。

 二日目の協議3では、まずこれら各分団の話し合いの結果報告がなされました。そしてその中で特に問題となった点について、全体で協議しました。「保護者との関係」については「キリスト教学校は、礼拝を通して見えないもの(内面的成長)を大切にしている。保護者にもそれをアピールし、共に関わってもらう事で理解を深めてもらう」また、「親との距離を縮めるために父親にも参加の場を提供する」という意見が出されました。「教師の多忙な仕事」については「仕事の差があり過ぎるので、仕事の単純化と共有化等システムを変えて分散する」「効果のないものは忙しく感じる」という意見の他に「忙しくてもその時間を生徒と共にいる喜びに変える。昼休みと放課後は生徒の為にあけておく」という意見もありました。「共学の問題」については、実際共学にした学校から「男子生徒の対応に苦慮している」という声がありました。「不登校」については「マイナスで受け止めずに受け入れていく」「一人で抱えず、学校全体で取り組む」「カウンセラーの必要性と関わり方」さらに「教師にも相談相手が欲しい」という意見もありました。他にも「保護者や生徒に対してだけでなく、教師同士もコミュニケーションをはかる事が大切である。お互いを認め合う事で充実感が持て意欲がわいてくる」といった意見も出されました。いずれもすぐに結論の出る問題ではありませんでしたが、全員で考える事で共通の認識が生まれ、互いに励まし勇気づけられる協議となりました。

 今日、公立学校も含めた様々な教育改革が行われています。キリスト教学校においても、伝統と現状のはざまでこの先どのような役割を果たしていけるのか、その教育の質が厳しく問われています。初日の協議一の発表で、生徒募集の厳しさを「キリスト教学校どうしで児童を取り合っている」という表現がありましたが、こういう厳しい状況であるからこそお互い支え合い、協力し合ってこの難題を乗り越えていこう、という視点が大切であると思います。そんな中で二日間にわたる研修を通して、参加者全員が「キリスト教学校は共に重荷を担う共同体である」という認識を強く持てた事は、今後のキリスト教学校の使命の達成に欠かせない事だと思います。これらの事から、初の試みではありましたが目標を達成し良い結果が得られたので、今後も引き続きこの様な研修の場がもたれる事を期待しております。
 参加された先生方は、それぞれの学校で、また忙しい日々を過ごされている事と思いますが、この研修を生かし互いに祈り合う共同体の一員でありたいと思います。

〈捜真女学校中学部・高等学部部長〉
キリスト教学校教育 2003年1月号7面



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