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北海道ブロック研究集会
北海道キリスト教人物史に学ぶ

札幌バンドの成立と北海道キリスト教史に及ぼした影響
―内田瀞を中心として
榮  忍

 2002年度の北海道ブロック研修会が、去る3月15日(土)午前10時から午後3時まで、北星学園大学を会場に2法人、5校より30名が参加して行われた。

 榮潤子北星学園大学短期大学部チャプレンによる開会礼拝では、真の神を若者に伝える使命の大きさが、あらためて示された。神から与えられた命という捕え方が、自分と関わるものだとの認識が、「性感染症」についての専門家の話を学生たちが聞いたあとの感想に多かった事に触れ、専門家の言葉の持つ力と共に、他者に預けず、自らの生き方で示すことの大切さが語られた。

 この研修会は『北海道キリスト教人物史に学ぶ』を継続主題としてきたが、今年度は、北海道のキリスト教史研究に力を注いでおられる福島恒雄牧師を講師にお招きし、「札幌バンドの成立と北海道キリスト教史に及ぼした影響〜内田瀞(うちだ・きよし)を中心として〜」との題で講演をいただいた。

 W・クラーク博士の薫陶を受けた札幌農学校の一期生は、華々しい活躍を遂げた二期生と比べると、通常それほど光を当てられているとは言えないが、その中でも「内田瀞」を取り上げたことについて講師は、多大な尊敬を集めた人物であり、クラーク博士との出会いがもたらす人格的つながりと、教育によって伝えられたクラークの精神が生きて民衆の中に働く良い例であると紹介された。内田の実践を農民の指導に見ると、近隣農場で小作争議が起こる中、指導を委託された農場では、極めて平穏に経営がなされ、没後50年を経た聞き取りの中でもなお古老の口から「内田様は立派なクリスチャンだった」と回顧されるとのことである。

 資料を整え、準備された講演は、内田を柱としながら、横浜、熊本、札幌、さらには静岡、弘前各バンドの成立やその性格の違いなど広範囲におよぶものとなったが、見えないところに働かれる神は、用いられる人物を相応しい場に配置し、影響を受けた者がまた良い地にまかれた種として働くというキリスト教教育の連鎖と力を示されるものとなった。

 最後に、横川容子とわの森三愛高校聖書科教諭が、創世記の創造物語を通して「能動的・積極的生き方を良しとして教え、活動しているが、受動的な面(神から〜される)を受け止めることを忘れてはいけないし、むしろまずそこから考えることが必要ではないか」と奨めを受け、研修会は終了した。

〈とわの森三愛高等学校宗教主任〉
キリスト教学校教育 2003年4月号8面


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