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第44回中高研究集会・全体協議会レポート
キリスト教学校におけるカウンセリングの課題
蓮田 圭四郎

 今回の研究集会では、カウンセリングと教育相談に関する内容が中心で、最終日の全体協議の前半は、三つの分団で話し合われた内容の報告、後半は、三人の発題内容も含めての質疑応答がなされ、その内容を次のように整理した。


  心の問題をかかえている生徒への対応

 学校システムとして、スクールカウンセラーや臨床心理士の常駐や週二回および月二回位の学校、校務分掌に相談係を設けて放課後生徒が自由に相談に行ける学校、週一回養護教諭・カウンセラー・教頭・教師でミーティングする学校、月一回専門の先生の指導を受ける教育相談の会(有志)を行っている学校、臨床心理士になるための実習生も対応させる学校などがあった。

 中でも保健室の養護教諭は、いつ行ってもいる先生、また中高六年間同じ先生ということで生徒も気軽に相談できる先生として、その働きは大きく、学校によっては二人の養護教諭を置いて対応している。


  保護者への対応

 自立できていない親、溺愛の親、離婚などで問題をかかえている親、すぐに苦情を持ち込む親など様々な保護者に対して、講演会や聖書勉強会などで親のあり方などを学ぶ会を実施している。また、学校と向き合わないで警察や親の社会的な力を利用して学校を批判する親もいるが、どのような場合も親や当事者と誠心誠意話し合って、信頼関係を回復する努力が大切である。


  不登校生や保健室登校生の成績評価・進級

 真面目に努力してはいるが成績不振な生徒との関係から、不登校生を特別扱いすることへの問題性から取り組みに苦慮している学校もあるが、校長裁量で進級させる学校、カウンセラー協議会(校長・教頭・学年主任・担任・養護教諭)を年五回開いて一人ひとりを審議し、今はこれしかできないから、その子の最大限を認めて単位や卒業認定をする学校、進級や卒業の判定にカウンセラーの意見を添えたり、面談をして決意を確かめて進級卒業させる学校、カウンセリング委員会で不登校生と認定すれば欠課は問わない学校など積極的に取り組んでいる学校も見られた。


  カウンセリングと礼拝

 礼拝の中で聖書の教え、イエスとの出会いをどう語っているか、礼拝で話されることが、キリスト教学校のカウンセリングでもある。ところが、礼拝に出ない教師もいて、教師一人ひとりの姿勢と共に、学校責任者がどう対応しているか、その姿勢も問われている。


  謹慎・停学中の生徒の指導

 謹慎は家庭謹慎よりも学校謹慎を取っている学校が多い。共働きの家庭も多くなり、学校の中で指導する方が生徒の気持ちを汲み取れる。場所は図書室や応接室で、別のプログラムで学習させたり、当該学年で対処する学校もある。また、担任が○○は謹慎中と伝える学校もあり、近隣の清掃やゴミ拾いをさせて、身をもって謹慎を知らせ、責任を自ら感じさせる学校もある。その場合、他の生徒との接触も出てくる。また少し遅れて登校させて礼拝堂で賛美歌を歌い、聖書を読み、祈りを共にする。生徒は見捨てられていないという気持ちを持ち、反省につながる。謹慎の言い渡しも大人として独立しているという考えで本人のみにしている学校もある。


  その他

 教師にも生徒と同様に心の問題をかかえて治療を要する場合も出て来ている。教師へのカウンセリングも課題である。

 生徒をもっと褒める。「褒め褒め運動」なども時には必要。

 携帯電話は許可制にして、校内では電源は切らせるようにしている。校内で触っていれば担任が一週間預かり、二回目は校長訓戒。また学校では要らない、持参禁止の学校も。ただし、帰宅が遅い生徒には許可。

 教師の中にはスクールカウンセラーはいらない、自分で指導するという教師もいて、学年としての指導に問題が生じてくる。

〈活水学院中高校校長〉
キリスト教学校教育 2003年5月号3面


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