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パネルディスカッションのまとめ

建学の精神を土台に教員と学生・生徒が共に歩む
山本秀樹

 2日目のパネルディスカッションは、まず一人25分ずつの発題(補足5分含む)があった後、パネリスト同士がそれぞれの発題に対して感想を述べ合い、フロアとの議論が始まった。発題者は松澤員子(神戸女学院)・青野和彦(東奥義塾)・安福朗(啓明女学院)の三氏であった。今回は特にパネリストとフロアとの議論を活性化させるためにフロアの中から指定質問者として長尾(神戸女学院)・北脇(近江兄弟社)・鵜崎(恵泉女学園)の三氏に予めパネリストへの質問をお願いしておいた。司会は山本(金城学院)と茂(青山学院)が務めた。

 まず松澤氏(神戸女学院)は、学校文化が学生・生徒たちへの社会的アイデンティティの重要な拠り所を提供するもの考え、特にキリスト教学校においては自らが神の前に自分はなにものであるかを問い続ける機会を提供できるゆえに、それが自己アイデンティティの形成への拠り所となると語られた。その中で教員が映像・電子メディア文化を身につけた学生・生徒の行動を「低級なる者」として、彼らの文字離れを嘆く前に、彼らが育った社会的環境と彼らが身につけた新しいリテラシィーを理解しなければならないという異文化体験の姿勢を強調されたことはとても新鮮であった。

 青野氏(東奥義塾)はキリスト教教育の主要使命として学校礼拝をあげられ、生徒の重荷に対する学校礼拝の役割について述べられた。広島のお好み焼き屋さんが実家である氏は、「素材を変えるな、むしろその味を活かせ」というお好み焼き作りの鉄則に従い、教師を素材を活かす調理人とし、神を調和と味の完成者として生徒の一人一人の素材を活かすという大変ユニークな発想での発題であった。

 安福氏(啓明女学院))は建学の精神に命を吹き込む共同作業という視点で発題された。共に重荷を担う働きとして、創設者たちが何を担おうとして学校を建てたかを建学の精神の中から改めて見つめ直すことが、キリスト教学校が共同の作業として建学の精神に命を吹き込む営みとして重要であると語られ、キリスト教学校をとりまく激動の中で新しい歩みの可能性を示唆された。

 さて3人のパネリストの発題に共通していた点は(1)激動の現代、(2)学生・生徒のアイデンティティの喪失、(3)建学の精神へのたちかえり、特に建学の精神の土台に(4)学校礼拝があり、教員と学生・生徒との(5)ACCOMPANIMENT(共に歩む)であった。

 パネルディスカッションでは指定質問者に応答する形でパネリストからの発言もあり、とても有意義な話し合いができた。

〈金城学院中学校教諭〉
キリスト教学校教育 2003年9月号3面


キリスト教学校教育同盟