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夏期行事各地で開催
東北・北海道地区
共に重荷を担うキリスト教大学 ―その固有の使命を果たすために―
教育研究集会大学部会

佐々木 哲夫

 2003年度東北・北海道地区教育研究集会大学部会は、主題「共に重荷を担うキリスト教大学―その固有の使命を果たすために―」のもと、9月1日(月)・2日(火)の2日間、シティ弘前ホテルを会場に6校30名の参加を得て開催された。開会礼拝は、志村健一氏(弘前学院大学)がマタイによる福音書25章35―40節から「ディアコニア」との題で奉仕者の基本姿勢に関し奨励を行った。引続き、倉松功地区代表理事(東北学院院長・学長)より、キリスト教大学の固有な特色である建学の理念やグローバルな価値観は、今日において益々その有効性を発揮するはずであり、このことを考えるならばキリスト教大学は祝福されている、との開会の挨拶があり、さらに、当番校弘前学院阿保邦弘理事長・学院長より歓迎の挨拶と出席者全員へ相澤文蔵『津軽を拓いた人々―津軽の近代化とキリスト教―』(弘前学院出版委員会・代表阿保邦弘、2003年)の寄贈が行われた。その後、佐々木哲夫教研中央委員(東北学院大学)より、主題に関し今年は大学礼拝の視点から研鑽を重ねる旨解題がなされた。

 発題は、出村和子氏(弘前学院大学)の司会により、講演者2人が各1時間を担当した。最初に中澤實郎氏(弘前学院大学宗教主任・宗教部長)が、『建学の精神―弘前学院の場合―』との演題で、 (1)東北・北海道地区大学の建学の精神、(2)キリスト教教育―新島襄とK・バルト―、(3)弘前学院成立と本多庸一、(4)弘前学院大学のキリスト教教育、の梗概に従って考察を深め、弘前学院大学における大学礼拝やキリスト教教育の現状を理念と組織の両面から紹介した。特に、キリスト者でない教職員との共同によってキリスト教大学の理念を担うことの重要性が指摘された。次に、深谷松男氏(宮城学院長)が『キリスト教大学ではなぜ礼拝が大事か』との演題で、(1)教育を受ける権利と私学の教育の自由、(2)キリスト教に基づく大学教育ということ、(3)礼拝こそ基本である、(4)礼拝出席の指導(勧め)と信教の自由、(5)建学の精神を堅持し、礼拝を実質的に整えるためのシステム、の視点より発題を行った。特に、「私学とは、国の政策(多数党の政策)から自由に、社会に尽くす教育の責任(教育の公共性)を自覚し、独自の教育理念と教育力だけによって立つ学校のことである。なお、私学の存在とその教育の自由は、民主主義の達成度を示すもの…」との理解のもと、宗教教育の自由と信教の自由との緊張関係を適切に把握する必要があること、例えば、事前承諾や内面的精神的自由など礼拝などにおける強制に留意する必要性があることを指摘した。

 これらの発題をめぐり、3分団(司会・山我哲雄氏〈北星学園大学〉、小原俊文氏〈尚絅学院大学短期大学部〉、伊澤佑子氏〈宮城学院女子大学〉)や全体会(司会・山口博氏〈教研中央委員・酪農学園大学〉)での協議が行なわれた。これらの話し合いは、「共に重荷を担うキリスト教大学―その固有の使命を果たすために―」に関し、問題意識を共有することができ、かつ、豊かな示唆を得ることができた実り多い時であった。懇親会では、斎藤昭氏(弘前学院事務長)の司会により、各大学の近況が報告された。

 2日目の朝の礼拝は、ヨハネによる福音書6章63―69節から 都築光一氏(弘前学院大学)が奨励を行い、また、閉会礼拝は、コリント信徒への手紙1・14章20―25節から山口博氏が担当した。最後に、大友浩地区理事代理(北星学園大学学長)が、当番校弘前学院大学の行き届いた配慮により充実した大学部会を行えたこと、また、今年度から東北学院に事務局が移り森谷徹氏(東北学院法人本部庶務部)が適切な運営にあたったことなどに感謝の言葉を述べ全日程を終えることができた。なお、来年度の開催校は北星学園大学の予定である。

〈東北学院大学教授〉
キリスト教学校教育 2003年10月号2面


キリスト教学校教育同盟