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北星学園女子中学校・女子高等学校 新校舎移転に思う
浅野  純

 1964年以来使用してきた校舎が40年間にわたる働きを閉じて新しい校舎へと形を変え、1月17日、新校舎への移転を記念し「旧校舎感謝、新校舎披露記念礼拝」が行われた。1887年、師範学校官舎の厩舎(馬小屋!)でサラ・クララ・スミス宣教師が開校したスミス女学校から116年、当初の校地から移転や火災による焼失など、幾度となくあった校舎の変遷に新たな歴史が加わった。

 見よ、新しいことをわたしは行う。今や、それは芽生えている。(イザヤ書43・19)

 長期間使用し使い慣れた愛着の深い旧校舎であったが、老朽が著しい上に耐震性の問題も加わり、小規模の手直しの繰り返しももはや効を奏さなくなっていたなかで、同敷地内にあった北星学園女子短期大学が大学短期大学部に変わり、大学キャンパスへ移転したことに併せて、新校舎建築が決断された。

 創立百周年を記念に建築した新館と短期大学の一部を改修し、それらを繋ぐ部分にあった短大旧校舎に代わって教室棟を新築したので、全面的な校舎新築には至らなかったが、北側と東正面に建っていた旧校舎が取り壊されたことにより、以前は校舎に囲まれる形であった中庭が、歴史的建造物に指定されている創立百年記念館を中心に据えた、芝生とライラックの植木に飾られた緑あふれる前庭として開かれた形になり、学校全体の景観は見違えるほど美しいものに生まれ変わった。

 外観だけでなく設備も充実したものとなった。短大から引き継いだ図書館をはじめ、音楽科の大教室と個々のレッスン室、多数のコンピューターを整えた情報処理室、美術科の広いアトリエなどの学習設備はおそらく屈指のものであろうし、札幌市の西の山々が一望できる5階のカフェテリアなど、生徒の団欒の場も備えられた。

 ただ、全校生徒が一同に集まれる場所として毎日礼拝に使用している講堂が、前庭を挟んで「離れ小島」として孤立してしまったことが大きな課題として残された。特に冬季間は礼拝のための移動が酷しいことが予想されるので、今回は見合わせることになった新校舎との連絡通路の設置が早急に望まれている。

 イエス・キリストという既に据えられている土台を無視して、だれもほかの土台を据えることはできません。(1コリント3・11)

 工事が完了し、新校舎への引越しが終わると直ちに、旧校舎の解体が始まった。すでに移動を済ませて何も残っていない建物を、まるで首の長い恐竜が餌をついばむように重機がいとも簡単に崩していく様子を見ながら、壊されていく旧校舎がわたしたちに多くのことを語りかけているように思えた。目に映るものはまさに「一時的」である。それがどんなに姿を変えても、変わらないもの、変えてはならないものは継承されていかなければならない。長年使用した校舎は姿を消すが、本校の教育理念・建学の精神を、新校舎で行われる教育の営みのなかにしっかりと受け継いでいく決意を促される機会が与えられた思いで解体作業を見つめた。希望のうちに新しい歩みを始められることを、何よりも神の恵みとして受け止め、これからもキリスト教教育を担うことを通して神の働き手としての務めを果たし続けていきたい。

〈北星学園女子中学校・高等学校宗教主任〉
キリスト教学校教育 2003年10月号4面


キリスト教学校教育同盟