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関東地区 第20回中高研究集会
深い次元での教育
水口  洋

 去る十一月二十八日(金)から二十九日(土)にかけて、ホテル箱根アカデミーを会場として、関東地区第二十回中高研究集会が「今、キリスト教学校の果たすべき使命とは」という主題で開催された。

 この研究集会は、従来は同盟加盟各校の教頭や教務主任等の実務担当者による情報交換を主な目的に行われてきた研究集会であったが、昨年度からその要素に加えて、各校の中堅(とりわけ赴任十年前後)の教員の研修の場とも位置づけ、キリスト教学校に勤務している一人一人が感じている課題や重荷を出し合い、その中に置かれている意味と使命について再確認する場として用いられることを願って計画され、今年度は三十四名の参加で実施された。

 集会は、大橋邦一氏(立教新座中高宗教主任)の開会礼拝をもって開始され、その後横山茂氏(捜真女学校中高部長)の司会の下、この研修会の運営委員長である平塚敬一氏(横浜学院院長)から、この十年の中高の教育改革の流れと公立学校の激変の中で、キリスト教学校は何を目指すべきなのかという主題に沿った発題がなされた。平塚氏は、激動する社会と教育界の現状の中で、肝心の子どもたちが取り残され、戸惑い、混乱している現実を見据えた上で、「深い次元での教育」すなわちスピリチャリティの開発という視点を勘定に入れた教育、イエス・キリストに倣う教育というキリスト教学校独自の教育の必要性が提唱された。主題を考え、議論を進めるにあたって、刺激的で示唆に富んだ発題であった。

 夕食後には分団討議が行われ、実務者グループと二つの中堅教員グループに分かれて、活発な討議が展開された。夜遅くまで、自主的に協議を続けたグループもあった。

 翌朝は、和田道雄氏(明治学院東村山中高副校長)による朝拝から始められ、朝食後、石井道夫氏(横浜共立学園中高校長)の司会で、各グループ協議の発表をふまえて、全体での協議が続けられた。各校にはそれぞれの地域性や個別の課題があるが、それとともにキリスト教学校が共通して直面している問題があることを確認し、課題を共に担い合っていく必要性が語られ、具体的な協力のあり方等についての活発な議論が積み重ねられた。

 参加者の多くが中堅の教員であったこともあり、協議の課題が現場に即した具体的なものであり、生徒指導や宗教教育の困難の多い現場の中で、生徒や保護者と向き合い、それぞれの使命を果していこうという真実な話し合いがなされた。また、生徒募集の厳しさや社会全体の大きな流れ(私立学校への締め付け)の実態も報告され、祈りの必要性も実感させられた。

 今回の会場となった箱根アカデミーは、丁度十年前の夏に「関東地区の新人研修会」の会場であったこともあり、十年ぶりに再会があり、「原点に戻ってきた」という感覚の中で研修ができたことが有意義であったとの感想も聞かれた。公立学校では十年研修が義務付けられ、各県の教育委員会は私立も巻き込んで「ある方向へむけての再研修」が実施されつつある現実の中で、キリスト教学校こそ「原点の確認」のための再研修の機会の必要とその恵みがあることを感じた研究集会であった。  

〈玉川聖学院中高部教頭〉
キリスト教学校教育 2004年3月号4面


キリスト教学校教育同盟