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夏期研究集会に参加して

祈りつつ 前に向かって
安部 一紀
 
 私学の経営がむつかしい時代となり、ほとんどの同盟校では、目下のところ「生き残り戦争」の中に身を置かざるをえない情況です。その中で学園の内外から打ち出される方策や戦略は、しばしば「教学の現場」に混乱と悩みを与えています。このような困難に直面した時、我々がよって立つべき場所、帰るべき場所が「建学の精神」です。ここにおいて、我々の「今」は根拠を与えられ、進むべき方向を示され、そして、希望と勇気を与えられて前進できます。「恐れるな、小さな群れよ。御国を下さることは、あなたがたの父のみこころなのである」(ルカ12・32)とあるとおりです。

 今回、同盟の新聞で研究集会の主題「人をはぐくむキリスト教学校―建学の精神を共に担う―」を目にした時、心が躍りました。実に的を得たタイムリーな主題と思いました。

 集会はとてもよく準備されていて、主題講演・礼拝説教・パネラーの発題等、その一つ一つにおいて、知恵と祈り、勇気と目標が与えられて、考えるべき課題を与えられて、実に実りの多いありがたい集会でした。この場を借りて準備に当たられたスタッフと講師の諸先生方に感謝します。

 ただ、このようなよく準備された集会の中で、我々が、テーマをしぼって、じっくり対話・討論すべき「分団」や「全体集会」では、今一つ焦点が定まらず、エネルギーに欠けていたのではないかと、自分自身、大いに反省しています。「研究集会」という標題を掲げる以上、参加する我々自身も、企画・運営スタッフと同様に、よく準備し、課題を持って分団や全体集会に参画するようにしなければいけないと思いました。

 憲法九条やその精神に基づいて作られた教育基本法の改変が画策されている昨今です。

 神と人との前で、「建学の精神」を受けつぎ、そこに基づいた教育を担い、私学経営の困難さと戦いながら、これを貫いてゆくことができるようにと祈りながら、東山荘をあとにしました。


〈西南女学院大学教授〉
キリスト教学校教育 2004年9月号4面


キリスト教学校教育同盟