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各地区の夏期行事
関西地区
IT時代とキリスト教教育
第46回夏期研究集会

原 真和
 第四十六回目となる今回は、「IT時代とキリスト教教育の展望」を主題に、八月三日(火)から二泊三日の日程で、京都ガーデンパレスにおいて行われました。

キリスト教とITの親和性
 今回の主題講演の講師は、旧約学者であり、同志社理事長である野本真也先生です。野本先生は、牧師の家庭に生まれ、教会でお育ちになったわけですが、少年時代は、鉱石ラジオを自作するような「ラジオ少年」で、将来は東通工(現在のソニー)の技術者になりたいと思っておられたそうです。

 あるとき、伝道講演に来た魚木忠一先生が、真也少年自慢の自作ポータブルラジオを見て、「真也くん、それで神さまの声が聞こえますか?」とのたもうたのでした。「聞こえるわけがないでしょう」と思ったけれど、「神さまの声を聞く」とはいったいどういうことなのかという問いが頭から離れず、結局、同志社の神学部に進まれたのです。

 聖書の章と節、欄外注(引照)、コンコルダンス(語句索引辞典)は、それぞれ、コンピュータの世界でいうところのアドレス、ハイパーリンク、データベースに相当しています。コンピュータが聖書学の極めて有効な道具になるということは、必然的なことなのです。

 また、キリスト教とインターネットの世界の間にも、ヴァーチャル、ユビキタス、コミュニケーションなど、共通するキーワードを見つけることができます。さらに、ヴォランティア精神や公開・共有の原則などを挙げることができるかもしれません。聖書学の道具となるコンピュータの場合と同様に、インターネットにもキリスト教教育の有効な道具になる可能性を見出すことができるのではないか。そして、野本先生は、教材の共同制作や共有化などを実現させるためには、手作りのサイトを立ち上げることがまず必要である、という提案をされました。

コンピュータは一つの手段
 私たちは、また、同志社国際中学校高等学校の英語科教諭で同校のコミュニケーションセンターの責任者である中川好幸先生の報告を聞きました。コミュニケーションセンターとは、図書館であり、プロジェクト型の学習をする教室であり、共同作業の場であり、展示やプレゼンテーションを行う場でもあるという円形の建物です。

 ここは、また、生徒たちの居場所にもなっていて、生徒数は中高あわせて千百人なのですが、のべにして一日最大千六百人が来館したそうです。また、昼休みには四百人の生徒が来ているということです。

 コンピュータそのものを教える授業はなく、さまざまな授業の中で、手段の一つとしてコンピュータを使っているということ。コンピュータはコミュニケーションのメディア(媒介、手段)であって、コミュニケーションはあくまでも人と人の間に成り立つということ。そのことを中川先生は強調されていました。

私がやらなければ誰がやる
 もうお一人の報告者は、桃山学院高等学校の数学科教諭で同校のコンピューター委員長として桃山ネットを構築された上田信夫先生です。

 二〇〇一年度には、新校舎を完成させ、共学化し、国際コースの情報教育を強調するという方針が決まりました。そして、コンピューター委員会の提案によって、その機会にネットワークを構築することになりました。しかし、ネットワーク構築の必要性を認識する教職員は少なく、ご苦労をなさったようです。

 桃山ネットは完成しました。各専任教員の机にはパソコンが置かれ、サイボウズの掲示板、回覧板や共有フォルダによって、さまざまな情報を伝達、共有することが可能になりました。インターネットへの接続は、大阪ケーブルテレビの回線を使っています。各教室に映像を配信することも可能です。今では、教職員の日々の仕事を支え、生徒たちの学習や活動を助ける、なくてはならない道具となっています。

 二日目と三日目の朝の礼拝は、それぞれ、同志社チャペルと、平安女学院中高のチャペルとして使われている聖アグネス教会で守ることができました。

 野本先生の提案を受けて、分団協議や全体協議の中でもち上がった関西地区夏期研修会のサイトを立ち上げるという課題は、私の宿題となりました。一応、サイトだけはできましたが、コンテンツはこれからです。ぼちぼちですが、やっていこうと思っておりますので、ぜひ、ときどきご訪問ください。

 今回の研修会が私たちそれぞれの置かれている現場の困難を克服するための端緒となることができたらと願います。

〈聖和大学宗教主事〉
キリスト教学校教育 2004年10月号2面


キリスト教学校教育同盟