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キリスト教女子中学校・高等学校校長会
女子教育の現代的意義を考えよう
平塚 敬一
 
 数年前から地方の伝統と歴史のあるキリスト教学校が生徒募集で想像し難い現実の中にあるとの報告が次々と教研中央委員会に伝えられた。特に少子化の時代に入って女子校において厳しい状況があるとのことであった。そして、教研委員の中からも早急に中高女子校校長会の開催を要望する声が出された。そこで私は、船本弘毅教研担当理事のご意見も伺い、一月六日に東京ガーデンパレスにて「これからの女子教育について」というテーマで女子中学校・高等学校校長の会を開催した。冬休み後の授業開始や入学試験など極めて校務多忙な時期、しかも新年早々であったにもかかわらず、全国各地から二十六名の校長・教頭が東京に集まった。会の冒頭、船本教研担当理事から「数年前より女子大学が厳しくなり、女子大学学長の会を四回開いてきた。次は中高の話し合いが必要になってきた。少子化による共学志向が強まる中で現状を理解し、対策を考えることも大事だが、もともとキリスト教学校が女子教育からスタートしたことの意味と使命を考えてほしい」との挨拶があった。その後、参加者から活発な意見や提案が出された。

@学校経営の一端を担う校長として現実と理想の狭間でもがき苦しんでいる。

A建学の精神が活性化していないならば、社会に通じる言葉を伝えられないであろう。

B闇の深さの中で人間教育が危機的な状況にある時、女子教育だけに問題を求めるのはどうだろうか。

C互いに交流を深めるとともに希望を持って女子教育の魅力を社会に発信していかなくてはならない。

D保護者が子供の将来に不安を抱いている今こそ、心を閉じている子供たちの内発性を育てる教育が求められている。

これらの発言を受け止めた上で、参加されたすべての方々が、これからも女子教育を継承していきたいとの熱い思いに満たされた。

 ある意味で今女子教育は、逆風にさらされているかも知れない。しかし、何が逆風なのかをよく見極めなければならない。本当に女子教育の魅力が社会的に退潮傾向にあるのだろうか。むしろ、キリスト教教育が社会の不安に応えるようなメッセージを伝え切れていない方が問題ではないだろうか。その点においては女子教育であろうと共学であろうと同じであろう。恵泉女学園の安積力也氏が、「創立者河井道は、『女性が国際的な情勢に関心を持たなければ、戦争はなくならない』と考えて恵泉を創立したのです。この恵泉の存在理由がある限り女子教育を続けていかなければなりません」と述べられたように、各校は女子教育であり続ける根拠を社会に示していくことであろう。そこにこそ女子教育でなければならない現代的意義があると思う。現在もまだ女性の社会的な地位が男性に比べて低いなどという理由では、これからの時代における女子教育への共感を得ることは困難であろう。各校が創立以来の建学の精神を問い直し、それぞれに固有の現代的意義を社会に提示した時、再び女子教育は時代の先導的な役割を担い、活力のある教育共同体として甦ると思っている。

 次回は地方で開催できないかとの希望もあったが、とりあえず九月三日、東洋英和女学院での再会を願い「第一回キリスト教女子中学校・高等学校校長の会」を閉じた。



立教女学院中学高校校長
キリスト教学校教育 2005年3月号1面


キリスト教学校教育同盟