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ブックレビュー
ルター・R・ランバス著、山内一郎訳
キリストに従う道

ミッションの動態
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リアム・W・ピンソン著、半田一吉訳
ウオルター・R・ランバス
PROPHET AND PIONEER
宮田 満雄

 関西学院では二〇〇四年十一月十日に創立者ウォルター・ラッセル・ランバス先生の生誕一五〇周年記念日を迎えた。表記二冊の書物はその記念事業の一環として関西学院大学出版会より刊行されたものである。ランバス先生は一八五四年十一月十日、上海にて宣教師一家の長男として誕生、長ずるにおよんで自らも両親同様米国南メソジスト監督教会の宣教師となり、中国での活動を経て一八八六年に神戸へ来られ、わずか四年の滞在中に多くの教会や学校の開設、創立にかかわられた。現在の神戸栄光教会、パルモア学院、啓明学院、関西学院、聖和大学、広島女学院などランバス先生ご一家の播かれた種からの実りである。
 『キリストに従う道』は一九一四年、ランバス先生が母校ヴァンダビルト大学の招聘を受け、コール・レクチャーの講師として学生達に六回にわたる連続講演を行ったその内容が編集出版されたものであり先生の主要著作の一つとなっている。コール・レクチャーとは一八九〇年、コール家の寄付により設立された特別基金によって設けられた冠講座で、ジョン・R・モットやブルトマン、ティリッヒ、ニーバーなど著名な神学者も招かれた由緒正しい講座である。かねてよりランバス研究に携わってこられた山内一郎関西学院大学名誉教授(関西学院理事長)の手によってこの度翻訳改訂が完成し出版のはこびとなった。

 『ウォルター・ラッセル・ランバス』はウイリアム・W・ピンソン著になる伝記が半田一吉関西学院大学名誉教授の翻訳により刊行されたもので、W・R・ランバスという人物がどのような方であったのか、その実像の詳細を私たちに伝える貴重な資料となっている。

 著者のピンソン牧師はランバス先生と同年の生まれで米国南メソジスト監督教会の伝道局主事となってからはランバス監督としばしば行動を共にした方で、ランバス伝を書くのにこれ以上相応しい人物は考えられないと言われた方である。
 この二冊の書物が翻訳刊行されるについては山内、半田両先生の労に負うところ大なるものがあることは勿論のことであるが、その背後に関西学院キリスト教主義教育研究室の働きがあり、両先生とも永年にわたりその研究員として活躍されていたことをつけ加えておきたい。この間の経緯についてはピンソン著の『ランバス伝』の巻末に掲載されている田淵結関西学院宗教総主事による『解説』に詳しく述べられている。
 関西学院が創立され今年は一一六年目であるが、創立者の生誕一五〇周年にこの二冊の意義ある書物が公刊されたことを関西学院関係者として心から感謝し喜ぶものである。
 現代社会におけるキリスト教主義学校の教育的使命と課題を考える時に、原点を見つめ直すことは重要なことであり、そのことを通じて私たちは深いインスピレーションを得るのである。ゆるぎない信仰を持ち、与えられた使命を果たすべくひたすら献身する先達の姿に私達は大きく励まされるのである。因みに、『キリストに従う道』の原題は“Winning the world forChrist“であり、『ランバス伝』の副題は”Prophetand Pioneer “である。信仰の先達の強靭で激しいまでの気迫と気概を感じる。
 多くの方々にこの両書物が読まれ恵みを共有することができれば幸いである。


啓明学院院長、元関西学院院長
キリスト教学校教育 2005年5月号4面


キリスト教学校教育同盟