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全体会のまとめ

「共に向き合い祈る」
本田 栄一

 今年は、主題講演の後に二回のグレード別討議、パネルディスカッション後にノングレードの分団を一回もち、三回の討議にもとづいて、以下の全体会の共通テーマが設定された。

1.児童・生徒・学生にいかに向き合い、かかわるか。2.キリスト教学校にかかわる者として、どのように共に働くか。

 はじめに、昨年の深谷松男会長による主題講演から「人を育むとは国策的人材養成という観点ではなく、一人一人が大切に受け止められるべき存在であるとの確認に立って、愛をもってその人生の基礎作りの手助けをする教育」であることを踏まえて討議を開始した。前半は、次の二点に議論が集中した。

ひとつはカウンセラーとのかかわりである。学生・生徒を受け入れる際の配慮として、依存性を助長しないよう「できること」、「できないこと」をはっきりさせ、そして、学校の組織全体が活かされる働きを教員とカウンセラーが協力してどのようにつくりだすのか討議された。

 もう一つの課題として、いまの子どもたちが自分のなかの「闇」に目を向けられない現状が指摘された。「よい子」と呼ばれ、明るくふるまう子どもたち。しかし、この背後には大人が「目に見える成果」を期待する成果主義に引きずられ、結果のみを優先する大人の不安が子どもを駆り立て、「よい子」を強制していないか。子どもたちの深い闇に目を閉ざしていないか問いかけられた。むしろ、大人が自分のなかの闇を見つめ、向き合う勇気が必要ではないか。「私が私であろうとしたら生きていけない」という子どもの内面の声に耳を傾けているのか、省みる機会を与えられた。

後半は、キリスト教学校にかかわる者として、信者、未信者の共同性をどう構築していくのか話し合われた。キリスト教教育にかかわる担い手として共通の意識をつくりだすための各校の実践例が紹介された。特にJR福知山線の事故による犠牲者を追悼する「祈りの会」では教職員が一致協力した例が同志社の越川先生から報告された。最後に、「自分と向き合い祈ってくれた教員がいて、いま自分が学生に向き合い祈ることができる。卒業後に、花ひらくキリストの香りを大切にしていきたい」との敬和学園に在学した経験にもとづく恵泉女学園の宇野先生の発言は全体会の締め括りにふさわしいメッセージとなった。

〈桜美林中学校高等学校校長〉
キリスト教学校教育 2005年10月号3面


キリスト教学校教育同盟