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各地区の行事

東北・北海道地区

主題に関する問題意識や各大学での実践を共有

教育研究集会大学部会
佐々木哲夫

 東北・北海道地区教育研究集会大学部会は、主題「人をはぐくむキリスト教学校―建学の精神を共に担う―」のもと、九月五日(月)と六日(火)の二日間、仙台ガーデンパレスを会場に七校二十九名の参加者を得て開催された。開会礼拝では、ディビット・N・マーチー氏(東北学院大学宣教師)が、マルコ福音書1046?52節をテキストに「イエスの愛」との題で説教を行った。十字架のイエス・キリストにならう者、特に、他者の必要を感じとれる者になることの大切さについて語った。引き続き、倉松功地区代表理事(東北学院院長)による開会挨拶と当番校東北学院赤澤昭三理事長による歓迎の挨拶が行われた。また、佐々木哲夫教研中央委員(東北学院大学宗教部長)が、同じ主題で二年目の研鑽を重ねる旨解題を行った。

 講演は、平河内健治氏(東北学院大学文学部長)の司会により導かれた。最初の講演を担当した星宮望氏(東北学院大学学長)は、「東北学院から東北学院へ」との演題で、 ()東北学院中学・高校において「疑問を持つことの重要さ」を学んだこと、()また、北海道大学や東北大学の教授として感覚情報工学分野の研究に携わり、特に「創造主に学ぶ」ことによって、頚髄損傷患者の手の把持機能制御に成功するという世界初の成果をあげたことや、(三)東北大学教育研究センター長として、「基礎ゼミ」の導入、「実践英語」「コンピューターリタラシー能力」の重視、教養基礎教育科目類「人間論」「表現論」「学問論」の開講、理科実験の抜本的改定など全学教育改革に携わった経験を背景に、(四)東北学院大学の教養教育に関し「全学的な協力による教養教育の充実」「中高大の一貫教育におけるキリスト教教育」の重要性を説いた。

 次の講演を担当した山口博氏(酪農学園大学宗教主任)は、「人をはぐくむキリスト教学校―教師論をめぐって―」との演題で、()国家の維持を目標として集団教育を行ったスパルタの教育と個の確立を目標として民主的で自由な教育が行われたアテネの教育を比較しつつ古代ギリシャの教育を概観し、()また、古代ローマの教育観としてアウグスチヌスの『教師論』を挙げ、特に、教えられた事物を神が我々の内面において明らかにする「内的教師」としてのイエス・キリストの重要性を指摘し、(三)さらに、自身が担当したゼミでの体験を具体例に挙げつつ、学生の人格形成を目標とするキリスト教大学の教育の重要性を説いた。

 これらの講演をめぐり、三分団(司会・三上章氏、北星学園大学チャプレン)、飯塚久栄氏(宮城学院女子大学宗教センター所長)、佐藤玲子氏(尚絅学院大学教授)や全体会(司会・佐々木哲夫氏)において協議が行われた。これらの話し合いを通し、主題「人をはぐくむキリスト教学校―建学の精神を共に担う―」に関する問題意識や各大学での実践などを共有することができ、豊かな示唆を得ることができた。懇親会では、高橋征士氏(東北学院大学総務部長)の司会により、各大学(北星学園大学、酪農学園大学、弘前学院大学、宮城学院女子大学、尚絅学院大学、梅花女子大学短期大学部、東北学院大学)の近況が報告された。

 二日目の朝礼拝では、申命記26章5?11節から永井義之氏(東北学院大学宗教主任)が奨励を行い、小クレドーが六書伝承の核になったように、建学の精神はキリスト教学校の形成と発展の核であることが説かれた。また、閉会礼拝では、マタイ福音書105?10節から長島慎二氏(東北学院大学工学部・東北学院幼稚園園長)が奨励を行い、金銀銅貨を持たないイエス・キリストの弟子たちの持っていたものとは「イエス・キリストの名によって与えるもの」、即ち「ナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がり歩く」(使徒言行録36節)ことであり、それは我々キリスト教大学においても重要なものであると説かれた。

  米国東部に壊滅的打撃を与えた台風「カトリーナ」以上に大型の台風十四号が九州地方に上陸するという悪天候であったが、事務局の森谷徹氏(東北学院法人本部庶務部)の準備のもと予定通り全日程を終えることができた。なお、来年度の開催校は酪農学園大学の予定である。

      



〈東北学院大学宗教部長〉
キリスト教学校教育 2005年10月号6面


キリスト教学校教育同盟