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キリスト教学校フェア(東京)
新しい家族力を育む
鈴木 利彦

キリストの香りを伝えたいという願いと祈りのもとに、八月五日(金)から六日(土)の二日間にわたって、東京福音会センター(銀座教会)で第六回キリスト教学校フェアが開催された。二日間で延べ約二千人に達するほどのたくさんの方々が(その中には来年度受験を控えた小学生児童や保護者が)来場され、さまざまな学校紹介プログラムに耳を傾け、和やかな交流の時を持つことができた。

この学校フェアは今年で第六回目を数える。東京都内の十八のプロテスタント系キリスト教学校が集まり、それぞれの建学の精神や学校の歴史、それに基づく教育活動の一端を紹介する場として、また同時に、キリスト教学校が一堂に会して心を一つにして、「キリストの香り」をより多くの方々に伝えようとの願いから行われている。

五日はまず、フェア関係者全体の開会礼拝から始まった。立教池袋中学校・高等学校の中島博校長より「ミッションの再創造」というテーマで奨励があった。キリスト教学校が今求めなければならないものは考え出せばいろいろあるかもしれないが、「まず」求めるものは何か、ということをマタイ福音書第六章三十一節から三十四節の言葉を通して語られた。私たちの教育の原点に「まず」深く静かに思いを馳せる時、共におられるイエスから力をいただき、再出発の決意を促されると語られた。

その後、今回のフェアの基調講演が行われた。この夏の長崎での平和記念行事にお忙しい中を、鎮西学院理事長の林田秀彦氏が来てくださり、「新しい家族力を育む」というテーマで貴重なお話をしてくださった。昨今青少年の悪質な犯罪がニュースとなり、私たちの心を痛め、教育のあり方を根本から反省させられるが、今このとき考えなくてはならないのは、子供の成長の原点にある「家族力」の恢復であると語られた。家族力というと古めかしいイメージを持つかもしれないが、私たちを根本から支えている神を中心として、その愛から出発する家族の心のつながり、愛を伝え育み共に成長させていただく営みとしての家族の力、先生はそれを「新しい家族力」と語られた。成長させてくださるのは神であるという確信のもとに、神の力によって共に寄り添い、響きあっていく共同体をつくりあげるべきだと言われる。そうした「家族力」を持ちつつ、今の学校は家庭・地域と連帯して、一人ひとりの子供をさまざまな人たちが見守り支えていくことが重要であるとの提言があった。

会場一階、地下一階では各学校のブースがあり、訪れる人たちの質問、説明が盛んに行われた。また、プログラムとしては五日は大礼拝堂で「生徒による私たちの学校生活紹介」があり、各校の生徒が個性あふれるプレゼンテーションを繰り広げてくれた。六日は「生徒による音楽の調べ」があり、クワイヤー(聖歌隊)・ブラスバンド・弦楽・ハンドベル・声楽等の心洗われる演奏があった。夏の忙しいときを生徒らはこの日のために練習や説明を重ねた。その熱い思いが聖堂に来られた多くの方々に伝わったと思う。

猛暑の中、銀座まで足を運び、私たちキリスト教学校のささやかなフェアに参加された熱心な来場者に感謝したい。こうした熱心な方々の理解と思いが今日のキリスト教学校を支えており、また将来のキリスト教学校を支える若者もきっとこの中にいると確信するものである。

このフェアを実施するにあたり、十八校の代表者が三回の準備会を重ね、それぞれの学校での準備が積み上げられてきた。キリスト教学校が共同して一つの目標に向かい活動していくことを通じて、私たちはさらに神様からの多くの恵みや教育者としての使命や気づきを与えられている。こうした喜びを共に実感できるのもこのフェアのすばらしいところである。

〈立教池袋中学校・高等学校教諭〉
キリスト教学校教育 2005年11月号3面


キリスト教学校教育同盟