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愛と恕(ゆる)しを折り鶴にのせて

日野原重明・小澤征爾

世界におくる平和のメッセージ

黒瀬真一郎

「君は知るか、愛の衣には(ゆる)しと思いやりが裏地に仕立てられ
いることを
恕しをもつ愛こそが世界の隅々にまで平和をもたらすのだ」

(「平和の日を子供たちが」日野原重明)

 生命いのち)の尊さと平和の讃歌をヒロシマから――被爆六十年を迎えた広島で詩や音楽で鎮魂の祈りをささげ、戦争や核兵器のない社会を目指そうと二〇〇五年十月二十一日広島県立体育館で「世界へおくる平和のメッセージ」が開かれました。

 九十四歳で現役の医師として、著作活動や講演に東奔西走される日野原重明先生(聖路加国際病院理事長、ご尊父は第三代広島女学院院長)の自作詩の朗読で幕開けしました。この日のために創作された詩をピアノの音に合わせて「他をいつも配慮する愛の寛き心で、真の平和を世界の隅々まで広げていこう」と一つ一つの言葉に願いを込めて披露されました。

次に二十年余にわたり原爆詩の朗読をライフワークにされている吉永小百合さんが峠三吉の「序」と大平数子の「慟哭」を朗読されました。続いて小澤征爾氏が、若手で編成した小澤征爾音楽塾オーケストラを指揮され、公募の市民を中心とする広島と東京の市民合唱団員四百四十人、中国と米国の若手の声楽家も加わり、フォーレの「レクイエム」が厳かに演奏され、八千人(事前のリハーサルに四千七百人の小中高校生、被爆者、高齢者を招待、合計約一万三千人)の聴衆は魅了され平和の祈りを深め合いました。フィナーレでは演奏者と客席が一体となって「ひろしま平和の歌」が高らかに歌われました。

 二〇〇三年十二月以来、日野原先生と小澤氏を中心に、原爆によりかけがえのない生命をうばわれた方々に鎮魂の祈りを捧げ、次代を担う子ども達に希望を与える、生命と平和の讃歌を共感したいと願い企画し準備してきました。その後、実行委員会、幹事会、事務局体制を整え、私は幹事会代表・事務局長を兼務し、「この企画に賛同する人は、すべてをボランティアで」を合言葉に延べ約二百人の市民、私立大学生が持てる時間と労力を出し合いました。このように多くの方々のご理解、ご協力、ご支援のお陰で出演者と参加者が心を一つにして「ヒロシマの心」を世界へ発信する「祈りの場」を実現することができました。

特に、広島女学院の講堂を合唱団の練習会場に提供し、卒業生が中心に事務局をつとめ、司会はNHKアナウンサーの杉浦圭子さん(卒業生)、演出は映画美術監督の部谷京子さん(卒業生)などの広島女学院関係者が中心的な役割を担ったことを特記させていただきます。なお、この模様はNHK総合、BS、ハイビジョン、国際放送で計八回放映されました。

〈広島女学院理事長補佐〉
キリスト教学校教育 2006年01月号1面


キリスト教学校教育同盟