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第1分科会

キリスト教学校における一貫教育
津田 宏之

 主題の趣旨 

近年の少子化現象は社会に大きな影響をもたらしています。生徒・学生の安定的な確保には各校とも重大な関心を持って取り組んでいます。「一貫教育」は公立学校でも推進してきています。このような状況下で私学、特に「キリスト教学校における一貫教育のミッションは何か」、「継続教育のあり方」等について検証することとしました。事前にこのテーマに関連した意見を求め、主題の趣旨説明を行いました。分科会の参加者は五十五名(四十四校)、発題を三名のパネリストにお願いしました。

パネリストの発題

立教学院長松平信久先生には「立教学院の一貫連携教育の試み」と題して報告をいただきました。立教学院では「一貫教育検討プロジェクト」を設置し、一九九八年に「一貫連携教育の目標と構想」を提言しています。「キリスト教に基づく人間教育(礼拝・聖書)の柱は@テーマを持って真理を探究する力、A共に生きる力(共生力)」と定め、この目標に向かって、「カリキュラム改革・教授法改革・評価方法改革」を実施し、「小・中・高・大一貫連携教育体制」を確立した経緯を紹介されました。

 関東学院中学校高等学校長、冨山隆先生には、「関東学院における中高と小学校との関係」として発題いただきました。関東学院においても二年前から「建学の精神を同じくする学院各校(幼稚園から大学)の関連を深め、総合力を高めることが目的」として一貫教育検討会議が設置されていますが、その背景には「少子化による学院各校の経営的危機感と社会的評価の凋落への焦燥感」があること、そして「初めに一貫教育あり」とすると、「各グレード(各学校)による教育目標を空洞化させる危険性」を指摘されました。「建学の精神を豊かな土壌とし、その滋養が太い『幹(みき)』に連なる枝葉隅々までに行き渡った関東学院の『一幹教育』を目指したい」と主張されました。

 福岡女学院大学学長、齊藤皓彦先生には「福岡女学院における一貫教育」として発題いただきました。一貫教育の理念として、(1)建学の精神の深化と強化、(2)学院教職員の協力の実現、(3)学院施設の共同利用の推進、(4)学院組織一体運営による教育事業等の強化と推進、を取り上げました。特に、(2)の問題では、@高大連携授業「大学講義」を高校で始め、進路選択の一つとしての大学を位置づけて学習意欲を高めること、ASEL-Hiへの大学教員の協力、B入試広報における情報交換、等々具体的な高大の協力事業をご紹介いただきました。

意見交換とまとめ

分科会参加者との意見交換の中で「『一貫教育』と『一貫連携教育』 の違いは何か?」という質疑が行われました。まとめとして司会から、建学の精神を「貫く」意味の「一貫教育」と、同一法人内の各校が連携して「環(わ)」となって協力し合う「一環教育」の意味があるのではないかと結びました。

〈関東学院常務理事〉
キリスト教学校教育 2006年02月号2面


キリスト教学校教育同盟