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第3回女子校校長会

キリスト教女子校の存在意義を求めて
田部井善郎

 二月二十五日(土)、明治学院にて三回目の女子校校長会が開催され、金城学院中学・高等学校校長、深谷昌一先生に発題をお願いし中京圏における現状とその中での同校の実践的な教育活動についてお話しいただきました。

「主を畏れることは智恵の初め」をモットーとする同学院は、中高の教育目標として、「自立」・「自律」・「連帯」を設定し、その実現に向かって様々な試みを行っています。特に「To life」を掲げた総合的な学習では、「共に生きる」をテーマに「学ぶ力」と「学びの方法」を育成しつつ、六年間の体系的なプログラムを実施しています。中学一年では自己発見、二年では隣人への自己発信、三年では環境教育と平和教育、さらに高校では一年で福祉教育、二年で隣人をさらに広げて国際理解を学び、そして三年では、自己実現と将来をみすえたまとめとしての論文作成という構成です。これらを通して「いのちの尊さを理解し、神から与えられた賜物を発見し、それを活かす生き方を自覚的に選択できる二十一世紀の社会に貢献する女性の育成」をめざしています。その他同校長は三年前に就任以来、一貫教育のために高校募集の停止、高校新教育課程での語学系(韓国語、フランス語、中国語など)・芸術系・国際社会関係の自主選択制や二年からのコース制、また卒業生である大学生がリーダーとして参加する中学二年の修養会や高大接続のカリキュラムなど、独自のプログラムに取り組まれているとのことです。

公立優位の中にあっても、まずは建学の精神に立ち返り、その上で実践的学習を通して同校の教育を示そうとする数々の試みには啓発されるところが多く、その後の意見交換においても、礼拝の持ち方、教員組織や授業担当形式、保護者や卒業生との関わりなど、具体的な質疑が多くなされました。

本会は少子化を背景に共学化という流れの中で、「キリスト教女子校の存在意義」を共に考えることを目的としたものです。従って課題は、「現実」と「理念」との葛藤を克服する道の模索です。そのためには、一つには今回のような実践例を学び合う必要があり、そこから「現実」への対応の道も自ずと示されてくると思います。そしていま一つは「理念」そのものの議論ではないかと思います。今回の懇談でも、いのちを育む者としての生き方、平和をつくりだす担い手としての女性のあり方、また「人間教育」という視点からの意見などがありました。なお今回は共学校の参加は一校のみでしたが、幅広い議論のためにもさらに多くの共学校への呼び掛けと参加を期待しています。

振り返ればキリスト教学校は「現実」と「理念」すなわち建学の精神との葛藤を繰り返してきました。現実が厳しいからこそ本質が問われ、存在意義が自覚され、建学の精神が一層確固たるものとなる。神より託された女子教育にどのように応えるべきか。上からの導きのもと、回を重ねるごとに議論が深まることを願ってやみません。

〈フェリス女学院中学校・高等学校副校長〉
キリスト教学校教育 2006年04月号2面


キリスト教学校教育同盟