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キリスト教Q&A

イースター

和田道雄

キリスト教の行事で、イエスさまの誕生日であるクリスマスのことは誰でも知っていますが、キリストが復活されたイースターのことは、キリスト教にとって最も重要な出来事にもかかわらず、それほど知られていません。そこでイースターについての疑問に答えることにしましょう。

Q1 学校でのイースター礼拝の日を決めるのに困っています。年によってなぜ日が変わるのですか、教えてください。

 ローマ帝国がキリスト教を公認した後、初めての世界的なキリスト教の会議がニカイア(現トルコ共和国)で開かれました。AD三二五年のことで、第一ニカイア公会議と呼ばれています。この会議で、地域ごとに違っていたイースターの日付を「春分の日の後の、最初の満月の次の日曜日」と決めました。

「満月」が基準とされているのでもうお判りでしょう。そうです。古代オリエント世界では陰暦を用いる民族があり、イスラエルでも体系化される前は、月を肉眼で観察して新しい月の始まりを決めていたのです。太陽暦で生活する私たちには、どうしてもずれが生じ、様々な解釈がされてしまいますので、苦肉の策を講じたといったところでしょうか。

因みに、モアイ像で有名な「イースター島」は一七二二年のイースターに発見されたのでこの名前が付けられましたが、この年のイースターは四月五日でした。

 Q2 レント(四旬節)という言葉を聞きますが、これは何ですか。

 A レント(Lent)の語源は「長い日」、そして日が長くなって行く「春」を表す言葉から出ています。期間はイースター前の日曜日を除いた四十日間のことです。この期間は、主イエスが荒野で四十日間断食されたことに基づいています。初期の教会では、洗礼準備の期間という色合いが強く、期間も短かったのですが、克己や罪の悔い改めの時として、食べ物を制限したり祝い事を避けたりする傾向が強くなり、教会によってはこれを厳格に守っているところもあります。いずれにしてもイースターを迎える準備の時として大切に過ごしたいものです。

因みに日本では馴染みがありませんが、カーニバル(ラテン語の「肉を避ける」というルーツがあると言われていますが)というのは、このレントに入る前に行われるお祭りのことです。

 Q3 卵はイースターとどんな関係があるのですか。

 A イースターの子供たちの楽しみは、卵に創意工夫を凝らした彩色を施すイースターエッグを作ることや、野原に隠してあるイースターエッグを探し回ることなどがあります。

余談ですが、彩色されたイースターエッグで有名なのはロシアです。固い殻を破って誕生する「ひよこ」に譬えて、罪からの救いというキリストの復活を象徴的に表しているのです。

また、ソフトウェアの中に開発者がこっそり隠したメッセージをイースターエッグと呼ぶことがあります。公開されない特殊な操作で起動するようになっており、ソフトウェア開発者が遊び心で作り、ユーモラスな画像や、開発チームの一覧、また顔写真が現れたりする大変愉快なものです。しかし、最近は効率重視や景気悪化など、人の心が冷めて遊び心がさっぱり見受けられなくなったのは寂しい限りです。

〈明治学院中学校・東村山高等学校校長〉


 このたび、「キリスト教Q&A」を再連載することになりました。

 Q&Aの前身は、一九九六年四月号からの「信じるとは―キリスト教への道」のシリーズで、キリスト教入門をやさしい読み物とし、できるだけ専門用語を避けるという趣旨で始められました。

二〇〇〇年四月号からは少し趣を変え、キリスト教やキリスト教学校についての基礎的な事柄を「Q&A」方式で、二〇〇四年三月号まで連載されました。

今回再連載するにあたり、新任教職員をはじめ、ノン・クリスチャンの方にも理解していただけること、また学校の現場で生徒・学生から出された声や疑問なども参考に、関東地区の次の四名の先生方にご担当いただくことになりました(敬称略)。

和田道雄(明治学院中学校・東村山高等学校校長)、宇野緑(恵泉女学園大学キリスト教センターキリスト教教育主任)、堂本陽子(桜美林中学校・高等学校チャプレン)、魚屋義明(女子学院中学校・高等学校聖書科教諭)

お一人二回担当で、年間八回の掲載予定です。どうぞご期待下さい。

                    (広報委員会)


キリスト教学校教育 2006年04月号3面


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