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一般社団法人キリスト教学校教育同盟 Association of Christian Schools in Japan Since 1910

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キリスト教学校教育バックナンバー

第17回人権教育セミナー

名古屋中学校・高等学校を会場に開催
今年から教育同盟が後援

比企 敦子

 毎年八月、全国各地のキリスト教学校を会場として、主に教職員・教会関係者・学生を対象に「人権教育セミナー」を開催してきました。第十七回目となる今年のセミナーは、八月十日(木)~十二日(土)、名古屋中学校・高等学校で開催されます。

 人権教育セミナーの発足は、一九九〇年八月、矢田解放塾でのわずか数十名の、「部落」解放教育に関わる教員と全国在日朝鮮人教育問題研究会で活動している教員との交流集会からでした。はじめの数年間はキリスト教会館など外部施設を使用し、その後さまざまなキリスト教学校を巡りながら継続してきました。発足当時から現在まで、「部落」差別からの解放教育、及び在日コリアンへの偏見や差別をなくす人権教育という視点を特に大切にしています。

 セミナーの回を重ねるごとに、各地に残る戦争の実態や基地問題・「障がい」者・ハンセン病・アイヌ民族・野宿労働者・不登校・性差別・セクシュアルマイノリティー等、人権に関わる諸問題をも取りあげてきました。まず当事者の証言を聴くことから始め、問題点を明確化することにより、私たち自身の無知・偏見・差別意識に気づかされ、私たちの信仰さえもその深みにおいて変えられていくような経験を重ねてきました。カトリックとプロテスタント校の教職員・教会員・市民が共に集って活動していることも特徴のひとつです。全国のキリスト教学校を中心に、毎回約八十名を超える参加者が集まります。九四年には全国キリスト教学校人権教育研究協議会が結成され、キリスト教学校の教職員・教会関係者を中心とした全国組織となりました。協議会の会長は関田寛雄牧師、運営委員は、北海道・関東・中部・関西・中国・四国・九州ブロックから選出されています。

 九六年には「外国籍児童・生徒に関する調査・アンケート」を全国のキリスト教学校に依頼し、その集計結果を報告書としてまとめ、各校に送付しました。小冊子もいくつか発行しています。

 今年のセミナーのテーマは、「希望をもって生きるために!」です。希望をもちにくい現状にあっても、なお私たちに託されたキリスト教教育・人権教育への熱意を持続できるよう、苦闘している全国の仲間にエールを送る呼びかけです。二泊三日のセミナーは毎年、フィールド・ワークから始まります。自由参加ですが、普段なかなか訪れる機会の少ない場所や地域を、案内してくださる方と共に歩き、見て、感じます。今年は、①ブラジル人多住地域での学生の活動、②野宿者支援NPO、③皮革工場見学を予定しています。夕方から始まるセミナーは、関田会長による基調講演、キング研究者の梶原寿さんによる開会礼拝で始まり、翌日は在日大韓名古屋教会の金性済さんによる聖書研究やパネルディスカッションが企画されています。

 午後は八つの分科会に分かれます。以下簡単にタイトルだけを記します。①こどもと学校、②「障がい者」、③セクシュアリティー、④性差別、⑤「部落」、⑥「在日コリアン」、⑦ニューカマー、⑧平和問題。セミナーの申し込み時に希望の分科会をお選びください。

 これまでの会場校として、以下の各校にご尽力いただきました。この場をお借りし、記して感謝を申し上げます。それぞれ開催順に記しますと、プロテスタント系九校(広島女学院・金城学院・立教高校・四国学院大学・大阪女学院・西南女学院・関東学院・西南学院・立教大学)、カトリック系三校(賢明女子学院・日星高等学校・ノートルダム清心女子大学)となります。

 この度、キリスト教学校教育同盟も後援をしてくださる運びとなりました。キリスト教教育としての「人権教育」の学びや実践を、更に多くの方々と共に深めていかれるよう願っています。プログラムの詳細、申し込みについては、既に各校に要項を発送致しましたので、そちらをご参照ください。セミナーに関するお問い合わせは、NCC教育部(03-3203-0731)まで。

URL http://www.junyx.net/cshr/

〈フェリス女学院中学校・高等学校教諭、協議会運営委員〉

キリスト教学校教育 2006年7月号4面