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各地区の夏期行事
東北・北海道地区

幅広く学ぼうキリスト教学校の意味

教育研究集会大学部会
山 口 博

 東北・北海道地区教育研究集会大学部会は、主題「幅広く深く学ぼうキリスト教学校の意味」のもと、八月三十一日(木)と九月一日(金)の二日間、初日を札幌シェラトンホテル、翌日は酪農学園大学を会場に五法人二十九名の参加者を得て開催された。

 開会礼拝では、山口博教研中央委員(酪農学園大学宗教主任)が、マルコ福音書122834節をテキストに「あらゆる掟のうちで、どれが第一でしょうか」との題で説教を行った。酪農学園創設者・黒澤酉蔵の師にあたる田中正造の生涯を辿りながらイエス・キリストが教えた大切な掟について語った。引き続き、倉松功地区代表理事(東北学院学院長)による開会挨拶と当番校酪農学園大学大谷俊昭学長による歓迎の挨拶が行われた。また、佐々木哲夫教研中央委員(東北学院大学宗教部長)が今年度の主題について解題を行った。

 発題講演は、中原准一氏(酪農学園大学環境システム学部長)の司会により導かれた。最初の講演を担当された倉松功氏は、「幅広く深く学ぼうキリスト教学校の意味」との演題で、はじめに、私立学校にとって強力な支えとなっている国連世界人権宣言(一九四八年)を挙げ、(1)子どもの教育を受ける権利〈被教育権〉と、(2)教育の目的として教育基本法第一条「人格の完成をめざす」について論じられ、国に対し親の教育優先権、信教の自由、結社の自由について話は進み、その根拠づけにキリスト教の使命・証しがあると語られた。本論に入り、(3)教育における連帯―宗教の違いを超えた共通性の中で「教育されねばならない者として創られた人間」についてルターの解釈を交えながら神の世界保持の恩寵と人間との共働について触れた。次に、(4)神の似像としての人間・神の世界統治(創造の継続・世界保持)・キリストの救い、愛の対象としての人間について話された。続いて、(5)「証しの共同体としての私たちの学校」の中では、礼拝とキリスト教学校について「校事(倉松先生の造語であろうか)としての礼拝」の重要性を説いた。(6)最後に「教育は一人一人の人間の根幹にかかわる営みであり、学ぶことの喜び、また成長を見ることの出来ること、それ自身教育に関わる者にとっては喜びである。加えて人間の創造の時点から、教育は神から与えられた課題であり、祝福である」との言葉で締め括られた。

 次の講演を担当された内田佳子氏(酪農学園大学獣医学部助教授)は、「動物を介して人に仕える心」との演題で、(1)獣医師の立場から動物が人間にもたらす効果を概観し、(2)家庭での動物飼育がもたらす利点を様々な角度から指摘し、(3)獣医行動治療・動物介在活動・動物介在療法・動物介在教育の紹介をパワーポイントで行われた。比較的新しい学問で今後が期待されている分野である。素人にも分かりやすく講演して頂き、大変興味深く拝聴することが出来た。

 これらの講演をめぐり、三分団(司会・西脇隆二氏北星学園大学教授)、中澤實郎氏(弘前学院宗教主任)、佐藤邦廣氏(東北学院大学教授)において協議が行われた。これらの話し合いの中で、具体的な問題や各大学での実践などを知らされ有意義な時を持つことが出来た。懇親会では押谷一氏(酪農学園大学教授)の司会により各大学の近況が報告された。

二日目は会場を大学に移して行われた。朝の礼拝では、三上章氏(北星学園大学チャプレン)によりテモテへの手紙一4章16節から「自分自身と教えとに留意する」と題し、各自が襟を正す思いで奨励の言葉を聞いた。続いて貸切バスを利用して構内施設見学(インテリジェント牛舎・動物病院等)を辻和彦氏(酪農学園広報室長)の案内で行った。バスの中ではマイクを手にした大谷学長から構内施設について熱の入った説明を拝聴することが出来た。昼食後は山口博氏の司会により全体会議がもたれ、各分団で話し合われたことの報告を受けた。また、限られた時間ではあったがそれぞれの意見が開陳された。

 閉会礼拝では、新免貢氏(宮城学院女子大学教授)によりルカ福音書15章1‐4節をテキストに「福音は、言葉ではなく生きる態度の問題である!」と題し、「見失った羊のたとえ」を斬新な切り口で説かれた。また、朝の礼拝と閉会礼拝の奏楽は金子千恵氏(酪農学園事務職員)の奉仕によって担われたことを付記したい。

 最後に、地区理事代理の金井新二氏(今年度より北星学園大学学長に就任)より心のこもった閉会挨拶がなされ、今年度も事務局の森谷徹氏(東北学院法人本部庶務部)の準備のもと、近雅宜氏(酪農学園法人本部総務部)、川口梢氏(酪農学園事務職員)の協力を得て無事に全日程を終えることが出来た。なお、次年度の開催校は宮城学院の予定である。

〈酪農学園大学宗教主任〉
キリスト教学校教育 2006年10月号6面


キリスト教学校教育同盟