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聖書のことば
G.W.バーグレー

「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」

(ルカ2・14

およそ二千年ほど前、天使たちの声はイエスの誕生を祝して、次のように響きました。「地に平和。神の喜びたもう人々にあれ」。何と麗しいことばでしょう。クリスチャン・ゴスペルの基もこの平和への希求にあります。

しかし、現実はどうでしょうか。この地の何処に平和があるでしょうか。今日まで、そしてこれから、この地に平和が到来するのでしょうか。少なくとも、現在は平和とは程遠い現実にあります。イラクは混迷に落ち入っていますし、地域も学校も家庭もそして一人一人に於いても、平和に安んじているとは言いがたいのが現状です。

これらの事態についてヘンリー・ナウエンは、事態の根幹は人の心の深奥に於ける平和の欠如に由来する、と述べています。いじめ問題一つ取っても、いじめる側といじめられる側の双方に平和が欠けていることを想像せずにはおれません。より多くの子供たちが孤独で居場所がないと感じています。より多くの結婚が離婚に終わります。私たち自身がその経験をすることなしには、これらの課題の中にいる方々の苦しみを真に理解することは、たとえ想像することはできても難しさを伴うでしょう。無力感があります。それでも、クリスマスの使信は、そしてキリスト教信仰の初めの宣言は「地に平和あれ」であります。

私の好きなクリスマスの行事は、大学のチャペルや教会でなされるキャンドル・サービスです。学生も教職員も共に年末のあわただしさからしばし離れ、静かに歌と音楽で過ごします。特に、二十四日の夜には、人々が教会に集い、静寂の中で同じ思いで「何か」を心待ちにしながら、平和の実現を望みながら、キャンドルを灯します。自分の心の中にも灯します。

今年は私の心の中に、そしてお一人お一人の心の中に平和が芽吹きますように。「平和の君」と呼ばれた一人の人の誕生を祝うことを通して、それが成就しますように。

〈西南学院大学宗教部長〉
キリスト教学校教育 2006年12月号1面


キリスト教学校教育同盟