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金城学院のメサイア

キリストの御降誕を共に祝うために

後藤田典子
 
 金城学院は毎年十一月下旬に名古屋市内のホールでヘンデル作曲の「メサイア」を演奏しています。五十五回を数えるこの会は第二次大戦の混乱を乗り越え落ち着きを取り戻した時期に始められ、当初より「主にある平和」を求めてやまないキリスト教学校の祈りを込めて公演してきました。

学院行事としての演奏会とは言え、合唱のみならず管弦楽をも中学生・高校生が中心になって担っていることは、大きな特徴と言えるでしょう。

合唱は、中高の合唱団を中心に卒業生がサポートしています。中学から大学まで女子校ですので、男声コーラスは教員や保護者、教会関係者等の有志と名古屋にあるもう一つのキリスト教学校の男子校、名古屋学院聖歌隊に助けていただいています。九月から始まる練習にいろいろな方々がご参加くださることは、一つの曲を毎年毎回丁寧に仕上げていく姿勢を培う一助になっているように感じさせられます。また、この地域に二つしかない教育同盟の中学・高校の仲間と、宗教行事を通して協力できることは感謝です。

管弦楽は、中高生を主体とするメサイア管弦楽団を編成しています。当初は名古屋放送管弦楽団によりメサイア曲の中から抜粋で数曲を演奏していましたが、一九六四年から現在のようなオーケストラを構成するようになり、ほぼ全曲に近い曲数をこなすようになりました。現楽団の中高生の演奏者たちは、そのほとんどが中学に入学してから楽器を習得しています。中学の音楽科授業は一年生から声楽と器楽を学ぶようになっており、器楽の時間では生徒一人ひとりが弦楽器に親しめるように配慮されているのです。メサイア管弦楽団も、少しでも多くの生徒が演奏に参加できるよう、楽譜はモーツァルト版ではなくシャーマー版を使用しています。このような授業や器楽を奏する音楽室や器楽庫などの設備は近隣の学校を刺激し、器楽を音楽授業に取り入れる中学・高校が多数出てきました。キリスト教学校のよい風が吹いているように感じさせられる事柄です。

この数年、学校の伝統が町の大きさや歴史・風土と絡み合いながら作られる側面を考えさせられるようになりました。教育の困難な時代と言われる昨今、学校教育の内外に多くの課題があることは否めません。それでも、子ども達の全人格的な成長を願う教育を地道に営み続けるなら、神様は時代や地域に即した豊かな教育へ導いてくださることに気づかされているのです。学生・生徒も教職員も、卒業生も保護者も、その他の仲間たちとも力を合わせるチャンスを整えてくださり、その友愛の音楽を大ホールでさらに多くの方々に分かつチャンスも整えていただけることは大きな恵みです。近隣の教会のある方が「今年も、金城のメサイアを聞いてクリスマスの準備を始めます」とおっしゃいました。サンタ・クロースやプレゼントに浮かれるのではない、メサイア・救い主の御降誕を感謝し礼拝する聖夜をこの町の皆様と共に迎えることができれば・・・。今年も、祈りつつメサイア公演に臨みます。

〈金城学院中学校・高等学校宗教主事〉
キリスト教学校教育 2006年12月号4面


キリスト教学校教育同盟