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第4分科会
教育支援対策論
アドミッション(入試)と
キャリアガイダンス(進路指導)の再点検 

標 宣男

本分科会のテーマは、「教育支援対策論『アドミッション(入試)とキャリアガイダンス(進路指導)』の再点検」であったが、主たる議論は「アドミッション(入試)」に集中し、後者の「キャリアガイダンス(進路指導)」にまで及ばなかったことをお断りする。出席は、宮城学院、茨城キリスト教学園、新島学園、国際基督教大学、明治学院、近江兄弟社、日ノ本学園、西南女学院、活水学院、聖学院の代表者の方々であり、活発な討議が出された。以下ではその要点を記す。

 まず、発題として聖学院大学のアドミッションセンター所長である大森達也教授より、近年の私学を取り巻く厳しい状況の説明と、聖学院大学におけるAO入試についての報告がなされた。聖学院大学のAO入試は、比較的長時間の面接と、修正を含めた複数回のレポート提出からなり、それによって受験生の質を判断するものである。このような手間のかかる入試方法は、同大学の「入学前からはじまる大学教育」というアドミッションポリシーによるものであり、AO入試が推薦入試の逃げ道になってしまうことを防ぐものでもある。また、入学が決まった高校生に対し、このポリシーの下に入学前準備教育をも実施し、高校教育の補完と大学教育への導入支援を行っている。このような試みは、十月頃入学が決定した高校生が、大学入学までのいわゆる「空白の五ヶ月間」をどのように過ごさせたらよいかという、高校側の問題に対する一つの回答になると同時に、高校教育と大学教育の関係のあり方(あるいは、中学教育と高校教育の関係のあり方)をどのようにすべきかという問題を提起するものでもある。なお、以上述べた、AO入試および入学前教育は、ともすれば大学教員に多大の負担を強いるものから、本来大学教育に使われるべき「教育資源」の浪費ではないかという意見も出されたことを付記しておく。

 ついで、私学を取り巻く状況の厳しさの中で、各学校は「特色ある教育」を行うことが重要であり、それに対する支援の必要性が話し合われた。そこには、いかにキャリアガイダンスを行うかという点についての教育上の支援(例えば「自分とは何か」を考えさせる教育)も含まれる。

また、「面倒見の良い」というスローガンが、今回出席した複数の学校で、キリスト教学校教育の特色を示すものと考えられていることがわかった。しかし、「面倒見」の中身とそれをどのように表現するかについては、注意しなければならない点があるとの指摘がなされた。

 最後に、クリスチャン学生(生徒)をいかに確保するかについいては、特に大学においてクリスチャン(あるいは求道中の)学生に対する入学枠をもっているが、これを満たすのは難しいのが現状であるとの共通の問題が出された。

 以上、短い時間にも関わらず、中身のある有益な討議ができた事を、各学校の代表者の方々に感謝申し上げる。

〈聖学院大学政治経済学部長〉
キリスト教学校教育 2007年01月号6面


キリスト教学校教育同盟