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第5分科会
教育形成論

ゆとり教育の再評価と
同教育世代への教育のあり方

村山 順吉

 出席者 伊藤節子、吉岡良昌、岡崎一実、小玉敏子、好田豊作、野々村昇、内村公春、小川洋(話題提供)、村山順吉(司会)(順不同)

はじめにPISA学力調査の結果に関する話題提供があり、世界の中における、ゆとり教育世代の日本の子どもたちの学力水準が、数学的分野、理科的分野、問題解決能力においては上位であること、一方で読解力についてはかなり低下し、格差がひろがっている等の報告があった。

つぎに、ゆとり教育世代の特徴として、@観点別学習評価導入の影響なのか、自分の成績について客観的及び相対的に判断することなく、ただ自己評価が高いこと、A打たれ弱いこと、

B何かの困難を乗り越えた達成感の経験が乏しいこと、したがって彼らの精神の中に芯をつくることが必要であり、それが何を基としてなされるのかが非常に重要であること等が挙げられた。

その後、ゆとり教育に関するきちんとした評価や反省がなされないままに方針転換されるような、ゆれる教育政策のなかにあって、@キリスト教学校として、これからどうしたらよいのか、Aキリスト教学校として、前述のような特徴をもった目の前にいるゆとり教育世代の子どもたちをどう育てるべきかについて話し合われた。そして、これからも、@キリスト教の基盤に立ち返り、学校全体で理念及び建学の精神を深く共有することが非常に大切であること、A授業時間数等の数字の問題とは別に、授業を含む教育実践の捉え方及び見方に、キリスト教的な価値観及び人間観をきちんと取り入れることの必要性と重要性が、改めて確認された。

また、彼らの精神の中に芯をつくるには、クラブ活動も有効な手段である。ただし、いわゆる軍体調のようなものであってはならない。キリスト教学校のクラブ活動として、お互い同士のかかわり合いを深め、良い協力を基としたうえで困難を乗り越えるような経験と達成感の得られるものが必要なのではないか。お互いがお互いにとって大切な一人の人間であることを、そしてOnly one for othersの真の意味を充分に味わい、学べるような実践経験の機会が豊かな活動のなかにおいて、彼らの中に揺らぐことのないしっかりした芯がつくられるのではないかとの意見及び提案もなされた。

聖学院大学人間福祉学部教授
キリスト教学校教育 2007年01月号7面


キリスト教学校教育同盟