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同盟・維持財団の役割と財政

西 田 一 郎

 二〇〇一年六月からキリスト教学校教育同盟及び同維持財団(以下同盟・財団)の監事を務めさせていただきましたが、本年六月総会をもって退任することになりました。在任六年間を振り返り監事という立場から見た同盟・財団の役割と財政問題について考えるところを記してみたいと思います。

 同盟加盟校が置かれている経営環境は、少子化という一般的条件のみならず教育基本法の改正、団塊世代の退職を控えて教育の担い手たるキリスト者教職員の確保など大変重い課題が突きつけられています。加盟校それぞれが正に経営努力を積み重ねていくことが大前提ですが、教育理念を共有する同盟・財団の支援活動の重要性は強まっています。その中核を担う理事会とそれを支える事務局の機能充実は不可欠です。ここ数年、そうした機能の充実に取り組まれてきたものと評価します。具体的には各種規程の整備、事務局スタッフの刷新、百周年事業の推進、ホームページの導入などが挙げられます。

 この間、財務面を見ると二〇〇六年度末の見込みでは、同盟の繰越金は二千二百万円です。財団は懸案の運用有価証券の含み損を整理した結果、基本金一億二千万円に対し正味財産は一億円強ですが、同盟事務室の賃貸料の財団への支払いや加盟校への融資事業の収入、さらには加盟校の出資預り金の利息引き下げ協力などによって改善をみました。

 しかしながら、将来を展望した場合、同盟・財団の財政基盤は盤石とは言えません。まず、同盟の単年度収支をみると収入五千七百万円に対し支出六千七百万円で約一千万円の赤字となっています。百年史編纂等記念事業費五百万円差し引いても五百万円(年間収入比九%)の赤字となります。安易な会費値上げを避けることを優先するならば、事業内容の総点検と人件費、物件費の効率使用を進めなければなりません。このことは先に述べた同盟・財団の役割強化と相反することに繋がりかねないわけですが、そこにこそ惰性を排した知恵を出す必要があります。

 一方、財団では開店休業状態にあった融資事業の活性化を図るために融資金利の引き下げに踏み切り、既に四校への融資が実行されました。ただし、ここにも課題が出てきました。ご高承のとおり経営環境の悪化の中で、融資の審査基準をどうするかという問題です。互助組織という財団の性格と金融取引の原則(回収の確実性、担保)をどのように調和させていくのかということになります。貸し手の節度、借り手の節度が問われることになるわけですが、突き詰めれば財団自体の存続の必要性を問い直すことになります。

 さて、今後の大きな課題は、同盟・財団という組織体が加盟校の経営困難化にどう対応すべきか、どのような役割を担えるのかということです。これは理事会のみならず総会、代表者協議会、地区協議会などの場を通して十分議論を深めていく時期に至っていると考えます。神に祈りつつも、こうした現世的課題に目を背けず克服していきたいものです。

〈前国際基督教大学総務副学長、教育同盟常務監事〉
キリスト教学校教育 2007年04月号1面


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