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一般社団法人キリスト教学校教育同盟 一般社団法人キリスト教学校教育同盟

希望と喜びに生きる-新たな転換期に立つキリスト教学校-

一般社団法人キリスト教学校教育同盟 Association of Christian Schools in Japan Since 1910

Assocition of Christian School in Japna Since 1910

キリスト教学校教育バックナンバー

第47回学校代表者協議会
主題 「キリスト教学校と経営」
教育関係分科会

有馬 平吉

テーマ
 現代の若者に切り込むキリスト教教育(行事の作り方について)

司会者
有馬平吉(ICU高校キリスト教科教諭)

パネリスト
鍛冶智也 (明治学院大学行政学教授)
永田竹司(ICU宗教学教授)
マイケル・ピースカー(聖望学園チャプレン)
八尋孝一 (関西学院高等部社会科教諭)
鶴松勝利(ICU高校外国語科教諭)

どのキリスト教主義学校でもキリスト教(主義)教育を行っているわけですが、具体的には①礼拝②授業(聖書科・キリスト教科等)③行事、等を通してそれが実践されています。礼拝や授業についてはよく議論や研究がなされて来ていますが、行事に関してはその機会は比較的少なかったのではないかと思われます。そこで今回はあえて行事にフォーカスして考えてみることにいたしました。今回はICUが会場校ですので、大学と高校で日頃どのようなキリスト教主義教育の行事が行われているかについての実践発表をし、さらにそれを基にしてパネル討論会を行いました。

〈大学での実践発表〉
報告=ポール・ジョンソン(ICU大学牧師)

タイワークキャンプ/
*タイの山岳地方の少数民族の村に教会を建てる活動。
*タイのキリスト教大学・パヤップ大学との合同。
*キャンプ中に礼拝に参加。
*タイの学生との交流。
*タイの信仰篤い人々の家にホームステイする。

「この二十三年間ICUの学生はタイの北部を訪ね、地元のパヤップ大学と一緒に一週間の長いワークキャンプをし、タイの北部山岳民族の村に教会堂の建設をしてきました。私が担当するようになってからの八年で、のべで百五十名の学生がこのプログラムに参加しています。私はまた多くのパヤップ大学側ワークキャンプのリーダーたちと意義深い交流を持てました。」(ポール・ジョンソン氏)

〈高校での実践発表〉
鶴松勝利(外国語科教諭・「キリスト教活動委員会」委員長)

ICU高校の特徴/

 「キリスト教活動委員会」が校務分掌としてあり、そこが行事関係の事を統括します。また生徒の「キリスト教活動委員会」もあって積極的に活動をしています。年に二回「拡大キリスト教活動委員会」という形で行政部と全クリスチャン教員が集まりキリスト教教育関連の行事の基本的な方針を決め、またその行事の総括をします。

C-WEEKの内容
1 キリスト教講演会
一年生=アリ・レジャイアン先生(イラン人牧師)、二・三年生=青木優&道代先生

2 学年集会
一年生=「異文化体験選手権」、二・三年生=「障碍を持った人とのパートナーシップ」
両方とも「キリスト教活動委員」の生徒たちが計画し自主的に行いました

3 ペンテコステ礼拝
色々な外国語を読める生徒が多いので、約二十ヶ国語で聖書のペンテコステの記事を朗読。

4 マルチイベント
「人の生き方・あり方」に関する十七のイベントを用意し同時進行で行います。生徒は希望したイベントに参加します。(*このイベントは他校でも試みる価値があるでしょう。)

5 ミュージカル
キリスト教のメッセージのあるミュージカルを全校生徒の前で上演。出演者はオーディションで選らばれますが、ほとんど生徒が自主的に全てを進めていきます。

<結論>
 中高生や大学生たちからは宗教やキリスト教の話はどうしても敬遠されがちで、行事に対しても「退屈だ、窮屈だ、つまらない、自分には関係ない」というような反応を受けがちです。

 しかし「いや違う、キリスト教はあなたにrelevantなんだ、もっと面白いし興味深いし感動的なんだよ」と伝えていくにはどうしたらいいか? パネル討論会でも出たことですが、若者にただ一方的な「お説教」をするだけでは不十分で、体験的なものや参加型の行事を用意していくことが大切であることが確認されました。「まさに現代の若者に切り込める行事をどう作って行ったらいいのか?」という大きなテーマに向けて、我々は今後もチャレンジしていく必要があるでしょう。

〈国際基督教大学高等学校教諭〉

キリスト教学校教育 2005年1月号2面