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一般社団法人キリスト教学校教育同盟 Association of Christian Schools in Japan Since 1910

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キリスト教学校教育バックナンバー

北海道キリスト教人物史に学ぶ
北海道ブロック研究会

浅野 純

日時 三月二十五日(土)午前十時~午後二時三十分

会場 酪農学園大学

主題 「北海道キリスト教人物史に学ぶ」

講師 作山宗邦氏(元遺愛学院女子高等学校教諭)

参加者 三法人(七校)三十三名

プログラム

開会礼拝

 奨励 横川容子(とわの森三愛高等学校聖書科教諭)

挨拶 平尾和義(酪農学園理事長)

山口博(酪農学園大学・研究中央委員)

講演

 講師 作山宗邦氏(元遺愛学院女子高等学校教諭)

 「北海道キリスト教人物史に学ぶ

 ~遺愛初代校長ミス ウッドウォースと初代舎監雑賀アサに学ぶ」

昼食

報告

協議 講演と各校報告から

閉会礼拝

 奨励 浅野純(北星学園女子中学・高等学校宗教主任)

 三月二十五日、酪農学園を会場に、二〇〇五年度の北海道ブロック研究集会が開催された。

 開会礼拝はとわの森三愛高等学校聖書科の横川容子教諭が奨励を担当。コヘレトの言葉第3章1~8、および11節をテキストに「神の時、永遠を思う心」との題で、「神から愛され、良しとされている」ことを生徒に伝えていく教師であるために、たとえすぐに芽が出なくても、生徒の心という土に種を蒔き続ける働きを果していきたいとのメッセージに励まされて、プログラムが始まった。

 当研究集会は、継続して「北海道キリスト教人物史に学ぶ」という主題を掲げて、北海道においてキリスト教との関わりの中で歴史を担ってきた人物についての学びを深めてきたが、今回は遺愛学院の草創期の歴史を学ぶことと併せて「遺愛初代校長ミス ウッドウォースと初代舎監雑賀アサに学ぶ」と題しての講演に耳を傾けた。講師の作山宗邦氏は遺愛学院女子高等学校にて長年にわたり理科の教鞭をとってこられたが、氏が自ら言っておられた通り、「実際に足を運んで確かめて納得する」という信念で調べ上げられた資料に添って語られる講演は、参加者の関心を強く百二十年前の時代に遡らせた。二十代の若さではるばる太平洋を越え、吹雪の坂道を登って遺愛に着任し、僅かな在任期間にもかかわらず遺愛の創立に尽力をささげたウッドウォース初代校長。武家の娘として生まれ、戊辰戦争の動乱をくぐり抜けて明治期の女子教育と婦人矯風会創設のために働いて生涯を全うした雑賀アサ初代舎監。加えて、遺愛の初代教頭となって教育と宣教に専心した宇野兼三などについての学びを通して、歴史の構築基盤には必ずそのために生涯をささげ尽くした人物の具体的な働きがあることを改めて実感させられた。

 昼食後の各学校報告では、例年通り参加各校からの現況報告と話題提供によって相互の理解と課題を共有する時が与えられた。年度末の多忙期にもかかわらず、今回も中学・高校・大学各校が一堂に会して共通の主題の下に研修するという恵みを与えられた。

 神から与えられた使命をそれぞれの現場で果たす者として遣わされている喜びを分かち合う大切な会として、さらに豊かな研修会へと発展していくことを願っている。閉会礼拝にてどのような時にも、どのような場所においても人の傷みに共感し、すぐに手を差し伸べられた主イエスの歩みに連なるものでありたいとの思いを確かめ合って会を閉じた。

〈北星学園女子中学校・高等学校宗教主任〉

キリスト教学校教育 2006年6月号4面