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一般社団法人キリスト教学校教育同盟 Association of Christian Schools in Japan Since 1910

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キリスト教学校教育バックナンバー

北海道キリスト教人物史
酪農学園創立者 黒澤酉蔵に学ぶ
北海道ブロック研究集会

浅野 純

日時 三月十七日(土)午前十時~午後二時

会場 北星学園大学

講演 「北海道キリスト教人物史に学ぶ」

講師 大谷俊昭氏(酪農学園大学・酪農学園大学短期大学部学長)

参加者 二法人(五校)三十一名

プログラム

開会礼拝

奨励 三上章氏(北星学園大学チャプレン)

挨拶 山口博氏(教研中央委員・酪農学園大学)

講演 「北海道キリスト教人物史」
   ―酪農学園創立者 黒澤酉蔵に学ぶ―  大谷俊昭氏

昼食

報告 各校の現状報告

協議 講演と各校の現況報告から

閉会礼拝 奨励 山口博氏

閉会挨拶 杉本拓氏(地区理事・北星学園理事長)

 二〇〇六年度の北海道ブロック研究集会が三月十七日、北星学園大学を会場に開催された。一地区のみで行う、しかも中学・高校・大学全てを対象とする、全国的にも珍しい北海道地区の研究集会であるが、今回もそれぞれの教育の課題を理解し合い、同盟の教育研究主題である「幅広く深く学ぼうキリスト教学校の意味」を各校が具体的に展開していくために必要な力を受け取る大切な機会となった。

 北星学園大学の三上章チャプレンによる開会礼拝からプログラムが始まった。「知識は人を高ぶらせる?」と題して、コリントの信徒への手紙一 八章1~3節をテキストに、知識を持っていると「思っている」ことは人を高ぶらせるが、パウロのように「神に知られている―愛されている」ことを知ることによって人は謙虚になり、本当に知るべきことを知りつつ生きていくことができるということを学んだ。

 研究中央委員の挨拶の後、メインプログラムである講演が行われた。今回は「酪農学園創立者 黒澤酉蔵に学ぶ」と題された酪農学園大学学長の大谷俊昭教授の講演に一同心を傾けた。このプログラムは「北海道キリスト教人物史」と題して毎回講演を通して北海道における著名なキリスト者の功績と人物像に触れるもので、今回も信仰の先達として、北の地において教育の歴史の一翼を担ってきた黒澤酉蔵の生涯と思想との出会いに感慨を深くした。黒澤酉蔵師は人の生涯を意味あるものとするために必要なものとして三健論―「『健心・健身・健財』『健土・健民・健産』」を提唱したが、これは継承すべき伝統というよりもいつの時代にあっても必要なものとして、酪農学園の建学の精神である「健土健民」や三愛精神―神を愛し、人を愛し、土を愛する―に活き活きと息づき、今日の酪農学園の教育を支えているとの思いに胸が熱くなった。

 昼食をはさんで午後は講演にかかわる質疑応答を少し行い、続いて各学校報告が行われた。課題を分かち合い、交わりと相互理解を深めるひとときは和やかではあるが、少子化に伴う生徒・学生の減少や教育基本法に関する問題など、それぞれに共通の継続課題について真剣に報告し合い、語り合う大切な場である。締め括りに同盟の全国各ブロックの活動や各部会の報告が教育研究中央委員よりなされ、閉会礼拝は酪農学園の山口博宗教主任から、出エジプト記第三十三章12~17節をテキストにした「道程」と題された説教から、たとえどのような場所に行き、どのような問題に直面しようとも、主なる神は「わたしが共にいる」と言って同行してくださるという力強い励ましのメッセージを受けて会を閉じた。

 参加者は二法人から三十一名であった。地区内すべての学校・大学から参加者が得られることを願っている。

〈北星学園女子中学校・高等学校宗教主任〉

キリスト教学校教育 2007年6月号4面