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新たな時代におけるキリスト教学校の使命と連帯-いのちの輝きと平和を求めて-

一般社団法人キリスト教学校教育同盟 Association of Christian Schools in Japan Since 1910

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キリスト教学校教育バックナンバー

第52回小学校教職員協議会
幅広く深く学ぼうキリスト教学校の意味
―わが校が大切にしている教育実践

矢崎 茂樹

 「梅雨入りしたとみられる」という気象庁の発表があってから二日目の六月十六日(土)、第五十二回小学校教職員協議会が開催された。昨年、関東学院六浦小学校で行われた協議会は梅雨を感じさせない晴天に恵まれた。それと同じくらいの強い日差しの中、今年は、埼玉県さいたま市浦和区にある浦和ルーテル学院小学校に三百七十一名(参加十八校、他に幼稚園六園、小学校設置準備室一校)の参加者が集まった。これはこれまで最多であった。

 開会礼拝では、浦和ルーテル学院の小学生から高校生までの聖歌隊のハンドベルと美しい賛美の歌声を聞き、その演奏で参加者全員が歌うことができた。その後、鈴木素雄牧師(浦和ルーテル教会)のお話では、旧約聖書の「コヘレトの言葉」から、「あなたのパンを水に浮かべて流すがよい。月日がたってから、それを見いだすだろう」という言葉を引用されて、教育には目に見えない心の部分があり、その大切さはその時はわからなくても後になってわかる、教育とは時間がかかるものであるから、目先の結果を急いではいけないという良いお話だった。

 次に、小学部会委員長、佐藤勇捜真小学校校長の挨拶があった。特に今回のお話の中で、キリスト教学校の教員は団塊の世代が定年退職する時期に来ていて、キリスト教学校を目指す人材を育成するためそれぞれの教会でも呼びかけてもらいたいということが印象的だった。

 続けて、東海林敏雄浦和ルーテル学院理事長の挨拶があり、その後九州ルーテル学院大学学長・院長の清重尚弘氏による講演があった。テーマ「浦和ルーテル学院からのメッセージ」の中で、小さい学校であることのメリットを強調された。小学校から高等学校までの教員が一つの職員室にいて、児童が小学校に入った時から全員の子どもを全ての教職員が知っている。小学校から全員が一貫教育を受ける少人数教育を行っているということであった。そして、大きな学校へはチャレンジしてくださいというメッセージを送っていただいた。

 昼食は十二の分科会の会場に分かれてお弁当を食べて、午後からそれぞれ実践報告や発題をもとに、有意義な話し合いの時を持った。

 各分科会のテーマと発題者は次の通りであった。

1 キリスト教学校におけるチャプレンの働きとは
  ―井上馨(聖学院)

2 二年生活科で行った「要町ボランティア」の報告
  ―矢崎茂樹(立教学院)

3 学校は一つの家族―鈴木康之(東洋英和女学院)

4 身近な国際理解―岡田美佳(啓明学園)

5 宗教オリエンテーションとしての「なかよしキャンプ」
  ―杣田早苗(青山学院)

6 礼拝の中で御言葉を伝える―山口克俊(捜真学院)

7 五年生 那須農場の生活―中村弘之(自由学園)

8 山の上学校―その歩みと未来―近藤秀明(浦和ルーテル学院)

9 年間を通しての自然環境教育活動―馬場雅子(横浜英和学院)

10 ルワンダの佐々木先生を支えて―石塚武志(関東学院)

11 立教女学院小学校の奉仕活動実践 聖歌隊の活動を通して広がる「奉仕」
  ―上川恵(立教女学院)

12 礼拝の実践―川島祥子(青山学院幼稚園)

 吉田太郎先生の閉会の祈りの中には、主につながる私たちがここでこうして研修できたことへの感謝と、多くいても主につながる体の一つ一つである私たちが、明日からの教育活動の中で、子どもが愛されている存在であると感じることができるようにという願いの言葉があった。主によって建てられたそれぞれの学校に戻る私たち一人一人の働きを力づけられ、励まされた協議会であった。

〈立教小学校教諭〉

キリスト教学校教育 2007年7月号7面